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建築物の柱・梁の種類 住宅の柱と梁の違い・役割とは?

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建築物でよく耳にする柱や梁という部材は、名前は知っていて重要な部材なのはわかるけど実際どんな働きをしているのかいまいち分からないという方も少なくないと思います。

 

この記事では柱と梁の役割、種類について解説します。

 

柱とは

柱は屋根や床の重さを支える鉛直方向の部材です。
柱は建物を支える構造部材の中でも最も大切なものです。

 

屋根や床の重さを支え、地震の揺れに抵抗する働きを持っています。

 

そのため、柱は比較的太いものを使用する必要があります。

 

柱の種類と役割

 

通し柱(とおしばしら)

2階以上の木造建築の柱のうち、1本で土台から軒まで通っている柱で、通常は建物の四隅など構造上重要な位置に使われます。

 

建築基準法では階数が2以上の家の四隅に使う隅柱またはこれに準ずる柱は通し柱にするよう定められています。
しかし、柱の接合部に通し柱と同等の耐力がかかるよう補強してあれば、通し柱なしでも問題ありません。

 

管柱(くだばしら)

管柱は1階と2階にそれぞれ入っている柱です。
通し柱は1階から2階まで1本の柱が通りますが、管柱は間に床梁が通るため、柱が分断され、各階ごとに柱があります。

 

管柱は構造的に重要な柱で、床や壁にかかる重さを支え、地震力などの水平方向の力に抵抗します。

 

中柱(なかばしら)

中柱とは建物の中央付近にある柱です。
中柱は多くの長期荷重を負担しますが、地震時の軸力はほぼ0に近いです。

 

隅柱(すみばしら)

隅柱とは建物を平面的に見た時、四隅に位置する柱です。

 

地震時に軸力が大きく、引っ張る力も作用します。
建築基準法では隅柱は階数が2以上の建築物では通し柱としなければならないとされています。

 

管柱にする場合は引張力を伝達できるよう、適切な金物を使います。

 

間柱

間柱は壁の下地材や下地受け材となる柱で、上の階の荷重を負担しないものです。

 

外壁を縦に張るときは下地材として横銅縁が必要ですが、銅縁材を受けるために間柱を設けます。
外壁を横に張るときは間柱を直接下地材として利用します。
地震力を負担しない為、小さい寸法となります。

 

木造建築物の柱の基準

住宅用の柱は105mm~180mmの範囲で以下のような寸法のものが使用されています。

 

・105mm×105mm
・120mm×120mm
・135mm×135mm
・150mm×150mm
・180mm×180mm

 

一般的な住宅建築では通し柱と呼ばれる1階と2階を通す四隅の柱は120mmで、それ以外の管柱は105mmです。

 

柱に適した木材

柱に使用する木材は重い建物を支えるための高い圧縮性能、防蟻性などが求められます。
柱材には無垢材と集成材があり、どちらにもメリット、デメリットがあります。

 

無垢材

無垢材は昔から使われてきた柱材です。
一般的に使われてきたのは杉材、次いでヒノキ材、アカマツ材です。

 

無垢材のメリットは天然素材そのものの美しさがある点、化学物質を使用していない点、貼り合わせていないので何十年経っても剥がれるリスクがない点です。

 

デメリットはしっかりと乾燥させた材料を使わないと乾燥収縮による変形が起こる可能性がある点、1本1本にばらつきがあり高い技術が必要な点、集成材に比べて高額な点です。

 

集成材

大手ハウスメーカーで広く使われているのは「ホワイトウッド」と呼ばれる欧州トウヒや欧州アカマツの集成材または国産杉の集成材です。

 

集成材は木をラミナーにしたものを接着剤で張り合わせ柱の形に形成したものです。

 

集成材のメリットは多くの木材を貼り合わせて作られているため工業製品的に強度計算がしっかりとされている点、ラミナー時点で乾燥材を使っているため木材乾燥時収縮が起こりにくいという点です。

 

デメリットは接着剤を使用しているので何十年も経った後に接着剤の劣化が起こらないとは限らない点、木材独特の艶の良さは出ない点、接着剤を使っているため、人によってはシックハウス症候群を引き起こすおそれがある点です。

 

梁とは

梁は建物に水平方向に配置する部材です。
柱と柱の間に通し、柱を固定し、屋根を支えます。

 

柱との違いは抵抗する力の方向です。
柱は横からの圧力に対して抵抗するための部材ですが、梁は上からの圧力に対して抵抗するための部材です。

 

柱の役割は主に2つあり、1つは水平方向の圧力に耐えること、もう1つは鉛直方向の荷重を支えることです。

 

地震が発生した場合、横揺れが発生して建物に対して水平方向の力が働きますが、水平方向の力に対抗するのが梁です。
梁が水平方向の力を抑えることで建物への負担を軽減します。

 

また、梁は柱、床、屋根と一体化して使用されます。
柱や床、屋根と共に建物全体を支え、鉛直方向へかかる荷重を支える役割も担っています。

 

梁の種類と役割

 

大梁(おおばり)

大梁は一般的には柱と柱を直接的につないでいる比較的大きな梁です。

 

建物そのものや建具の荷重による長期的に掛かる力と地震や人の動きにより発生する短期的に掛かる力、双方を支える役割を持つ梁です。

 

小梁(こばり)

小梁は一般的に大梁と大梁の間にあり、比較的小さな梁です。
小梁に付くさらに小さな梁を孫梁と呼びます。

 

小梁は建物そのものや建具の荷重による長期的にかかる力のみを支える役割を持ちます。

 

火打ち梁(ひうちばり)

火打ち梁は梁と梁が直角に交差する隅の部分に設ける梁で、天井などの隅に三角形ができるのが特徴です。
隅から少し離して45度の角度で設置し、三角形の形を作ります。

 

三角形ができることで力学的に安定し、強度が向上します。

 

耐風梁(たいふうばり)

耐風梁はガラス張りや吹き抜けなど、壁の強度が担保できない場所で使用されます。
風の力に抵抗し、壁などの水平方向の強度を向上させるための梁です。

 

建物を支える柱と梁

柱と梁の種類と役割について解説しました。
柱は屋根や床の重さを支え、地震の揺れに抵抗する働きを持ち、柱と柱の間に通し、柱を固定し、屋根を支える働きを持っています。

 

柱や梁は言葉は知っていても実際に建物のどのような役割を持っているのか知らないという方は少なくありません。

 

柱と梁について知っていると、住宅のデザインや素材選びなどがスムーズに進むことがあります。
構造上必要な柱や梁をデザインの一部として利用することもできるでしょう。

 

注文住宅を建てる際には是非柱や梁にも注目していただき、不明点は設計士に質問してみてください。

 

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