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ー建築業界で使われるトレンチとは?用語の意味をわかりやすく解説ー

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「建築用語で使用するトレンチはどういう意味?」

「トレンチカット工法についても知りたい」

 

建築現場ではさまざまな専門用語を使用するため、理解が難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。

現場で円滑に仕事をしていくうえでも、十分に知識を得ることが大切です。

 

トレンチは床下や土中に設置する管や溝を意味し、構造物の外周部を掘削することをトレンチカット工法といいます。

 

本記事では型枠工事のプロがトレンチの意味と掘削方法を詳しく解説します。

トレンチの意味がわからない方はぜひ参考にしてください。

 

建築用語のトレンチとは

 

建築用語で使用される「トレンチ」には、どのような意味があるのでしょうか。

ここではトレンチの意味を詳しく解説します。あわせて、トレンチに似たトレンチカット方法についても紹介するので、参考にしてください。

 

トレンチの意味は管や溝

 

建築業においてトレンチとは、設備配管のために床下あるいは土中に設けた溝のことです。トレンチは英語で「trench」と表記し、もともと「堀」や「溝」などを意味し、建築の世界でも同じ意味です。

 

なかでも雨水や排水のろ過、または浸透させるための細長い管や溝のことを、トレンチダクトといいます。

排水管を通すと排水トレンチ、ケーブルを通せばケーブルトレンチ(ケーブルピット)とも呼ばれます。

 

トレンチカット工法とは

 

トレンチカット方法とは、地下構造物から順に構築していく施工方法です。

掘削工事をおこなう場所の外周部分を溝状に掘り削り、基礎や地下構造物を構築していきます。外周部分につくる溝は、幅よりも深さのほうが大きくなるように掘削します。

 

トレンチカット工法では構造物の山留工事をおこないません。

山留工事とは山や丘などの傾斜した土地を安全に保つための工事です。斜面に土やコンクリートなどの材料を使用して土地を固定します。

 

構築した構造物を山留の代わりにし、内部の掘削工事をおこなっていきます。

 

建築現場でトレンチカット工法が採用されるケース3つ

 

建築現場でトレンチカット工法が採用されるのは、下記のような現場です。

 

・採掘面積が広い現場

・地下構造物の施工

・土層の悪い地山

 

それぞれ詳しく解説します。

 

1. 採掘面積が広い現場

 

採掘面積が広い現場は山留工事や埋め戻しの簡素化が可能です。

 

山留壁を施工するときは、施工面積が広いと埋め戻し作業の負担が大きくなります。負担軽減のためにも、トレンチカット工法が使用されます。

 

またトレンチカット工法は構造物の外周にトレンチを作ったあとに内部を重機で掘削する方法です。大型重機が入りやすいように、広い面積が必要なことも採用される理由のひとつです。

 

2. 地下構造物の施工

 

トレンチカット工法なら、山留工事後に地上から掘削して工事の続行が可能です。周囲に法面を残さず垂直な山留壁に近くなります。

 

そのため、先に建築物全体を構造的に支える骨組み部分を有効活用できます。採光を考慮しない地下構造物に最適です。

 

3. 土層の悪い地山

 

土層が悪いということは、土地の下にある土や岩が弱い状態です。掘るときに土地が崩れたり、底面が壊れたりする可能性があり、山留工事が難航するケースがあります。

山留壁の根入れを深くする、地盤改良するなどで対応できますがコストがかかります。

 

トレンチカット工法でトレンチを掘ると地下水の排水ができ、土層が悪くても特別な対策が不要です。

 

トレンチカット工法を建築現場で使用する際の機械

 

トレンチカット工法に使用する主な機械を、下記の表にまとめました。

掘削機械 特徴
クラムシェルバケット ・先端を開閉して土をつかみ土を排出する
・汲み上げる力が強い
・せまい開口部から深い穴の掘削に利用する
バックホウ ・油圧ショベルの仲間で掘削機械の代表として知られる
・ショベルを運転席側に引き寄せて使用する
・ダンプトラックへの積み込み作業にも対応している
テレスコピック式クラムシェルクラムシェル ・テレスコ式クラムシェルともいわれる
・油圧シリンダー式で浅い部分を掘削する
・ロープ併用式で深い部分を掘削する

 

それぞれ特徴が異なるため、作業内容により使い分ける必要があります。適切な機械を使用すると、掘削作業をスムーズに進められるでしょう。

 

トレンチカット工法以外の掘削方法5つ

 

掘削はトレンチカット工法以外に、下記のような方法があります。

 

・ダウンヒルカット工法

・のり切りオープンカット工法

・トレンチ工法

・ベンチカット工法

・アイランド工法

 

特徴を詳しく解説するため、参考にしてください。

 

1. ダウンヒルカット工法

 

ダウンヒルカット工法は傾斜面掘削工法とも呼ばれます。

傾斜面の下り勾配を利用し、ブルドーザやスクレーパーを使用した掘削方法です。下に向かい、地面を切り取るイメージで平らにしていきます。主に、山や丘を削って造成するときに利用されます。

 

ただし雨の場合は土砂が流されて低地に流出するため、天候には注意が必要です。

 

2. のり切りオープンカット工法

 

のり切りオープンカット工法とは、斜面を残しながら掘削していく方法です。地面を切り開くように掘り削っていきます。

道路や鉄道を乗せるための地面を切り開くときに利用されます。

山留め作業が不要で安いコストできる点が特徴的です。

 

しかし、崩れやすい土質の場所や狭い敷地には不向きといえます。

のり切りオープンカット工法の法面角度は約45度です。つまり、根切りの深さに応じて広い範囲の土地を切り取る必要があります。

 

3. トレンチ工法

 

トレンチ工法とは、削り取った地盤にトレンチを掘削していく方法です。主に、地中に配管やケーブルなどを設置するときに使用します。

 

トレンチの底に土砂や詰め物、保護用のカバーを入れて安全に埋設できるように作ります。

トレンチカット工法と名前は似ていますが、トレンチ工法で土留はおこないません。

 

景観を気にせずインフラ整備できる点がメリットです。

 

4. ベンチカット工法

 

ベンチカット工法は階段式掘削工法とも呼ばれます。階段状に掘削を進める方法で、ショベル系の機器での掘削に向いています。

 

ベンチカット工法では山や丘の斜面を切り崩さず、段差をつけるように切り取る点が特徴的です。斜面にかかる負担を分散させることで安定感が出ます。

 

斜面を利用しながら道路や鉄道を建設するときにおすすめです。

 

5. アイランド工法

 

工事面積が広く浅い根切りをおこなう場合はアイランド工法がおすすめです。

アイランド工法では、まず中心に構造物を作ります。そして土や水が流れ込んだり地盤がこわれたりしないようにする山留め壁に向かい、切梁を設置します。

切梁とは土が崩れないように抑える水平部材のことです。

 

まわりの地盤を掘削して残りの躯体を建設するため、先行躯体には切梁がありません。そのぶん作業効率がよくなる点がメリットです。

 

ただし周囲の掘削には切梁が必要のため施工が2段階となり、工期が長くなる可能性があります。

 

まとめ

 

建築業界で使用されるトレンチとは、設備配管のために床下や土中に設けた溝のことです。もともと「堀」や「溝」などの意味があります。

 

現場ではさまざまな専門用語が使われるため、わからないと不安になることもあるでしょう。

スムーズに仕事していくうえでも、トレンチに関連するトレンチ工法やその他の掘削方法を理解しておくことが大切です。

 

本記事で紹介した掘削方法はトレンチカット工法以外に、下記の5種類です。

 

・ダウンヒルカット工法

・のり切りオープンカット工法

・トレンチ工法

・ベンチカット工法

・アイランド工法

 

現場にあわせて、適切な掘削をおこなうためにも建築業界の用語をしっかり理解しておきましょう。

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