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建築鉄骨の加工方法とは?鉄骨の種類と鉄骨製作の工程

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建設物では鉄骨が多く使われます。
また、建設現場で使用される鉄骨の種類もさまざまです。

 

今回は、建築物で使用する鉄骨の種類や鉄骨製作の流れ、加工方法などについて解説します。

 

鉄骨とは

鉄骨とは

鉄骨は建物などの骨組みになる鉄材で、鉄を材料に作られた厚さ7mm以上の骨組み部材のことです。
鉄の中でも鋼という強固な素材を使用します。

 

また、厚さ6mm以下の場合、「鉄骨」ではなく「鉄筋」と呼びます。

木材に比べて強く、鉄骨コンクリートと比べて軽い為、大空間構造を作り出せるというメリットがあります。

 

鉄骨の種類

鉄骨に使われている鋼材は以下の種類があります。

・SS…一般構造用圧延鋼材
・SN…建築構造用圧延鋼材
・SM…溶接構造用圧延鋼材
・STK…一般構造用炭素鋼管
・STKR…一般構造用角形鋼材
・BCR…冷間ロール成形コラム
・BCP…冷間プレス成形コラム

以上の種類が鉄骨造の建物でよく使われる鉄骨です。

 

グレードの違いで分類されていますが、鉄骨の種類により性能が変わりますので、構造部材の種類ごとに鉄骨を使い分けます。

 

例えばSN材(建築構造用圧延鋼材)は伸び能力に優れていますので、変形性能が必要なラーメン構造の梁などに使用します。

 

BCR材(冷間ロール成形コラム)は角形鋼管で、柱によく用いられます。

 

鉄骨の断面形状の違い

鉄骨は、断面形状の違いによっても分類されます。

 

断面形状は大きく分けると以下のようなものがあります。

・H形鋼
・I形鋼
・山形鋼
・溝形鋼
・角形鋼管
・円形鋼管

 

鉄骨の構造形式

鉄骨造の構造形式として「ラーメン構造」「ブレース構造」があります。

 

ブレース構造とは所謂「筋交い」のことで、ブレースを建物の柱と柱の隙間に対角線上に入れることで強度を確保します。

 

ブレースを使った面を取り付けて強度を確保し、地震や風など建物に加わる力に耐えられるようにします。

 

ラーメン構造は額縁のように縦を支える柱と横を支える梁で構成します。
柱と梁で構成されるため、開放的な空間を作り出すことができます。

 

ラーメン構造は柱と梁を剛接合し、ブレース構造では柱と梁はピン接合を用います。

 

構造形式により適した鉄骨は異なり、

ラーメン構造…BCR材(柱)、SN材(大梁)
ブレース構造…SN材(柱)、SNR材(ブレース)

という風に使い分けます。

 

鉄骨工事に必要な材料

鉄骨工事に必要な材料は

・溶接用鋼材
・スタッド
・高力ボルト
・溶接材料

等があります。

 

鉄骨工事に使う部材はJIS規格または国土交通大臣の認定を受けたものを使用します。

 

鉄骨製作の流れ

製作スケジュールを決める

鉄骨製作会社と建設会社の施工監理技術者との間で鉄骨の大きさや取り付けなどを決定し、製品製作のスケジュールを組みます。

 

工作図の作成

鉄骨の工作図(図面)を製作します。
CADを使って設計者や施工者の指定に合わせた工作図を作成します。

 

工作図には一般図、基準図、詳細図などがあります。

 

一般図はアンカー伏図、梁伏図、軸組図、部材リストなどがあり、平面的な図面と断面的な図面の工作図としては必要不可欠です。

 

基準図は溶接基準図、接手基準図、仕口基準図などがあり、工作上基準となる図面です。

 

詳細図はそれぞれの部材の詳細にわたって描く図面のことで、柱詳細図、梁詳細図、仕口詳細図、階段詳細図などがあります。

 

安全金物やスリーブなども含めて図面にします。

 

切断・加工

機械を使用し鋼材を切断したり指定の形に加工し、溶接用鋼材を作ります。

加工の具体的な方法は下で詳しくご紹介します。

 

組立・溶接

加工済みの鋼材を組み立て、接合部分の溶接を行います。

 

溶接作業は一般的にアーク溶接で溶接します。
中でも、被覆アーク溶接またはガスシールドアーク溶接で行うのが一般的です。

 

近年ではロボット溶接の導入が進んでおり、生産量の増加に加え、作業者の負担軽減や作業効率の向上が実現しつつあります。

 

検査・発送

製品が完成したら検査を行います。

現場の管理を行う建設会社の施工管理技術者が鉄骨の傷や外観検査を行います。

 

検査で問題なければ現場の受け入れ状況を確認し、現場へ鉄骨を運びます。

 

鉄骨の加工方法

鉄骨を製作する工程で切断、孔あけ、開先加工、素地調整、摩擦面処理、罫書きといった加工を行います。
鉄骨の加工作業は組み立てや溶接の工程に大きく影響を及ぼすため、正確性が求められる重要な工程です。

 

切断

製品を図面に合わせて切断する作業です。
長さは1mmの誤差までを確認します。

 

孔あけ

建て方作業時に鉄骨と鉄骨をボルトで接合するための孔を加工する作業です。
孔あけの方法にはレーザー孔あけ、ドリル孔あけ、プラズマ孔あけがあります。

 

開先加工

開先とはグルーブとも呼ばれ、鋼管と管接手の端部を突き合せたときにできる溝を指します。

 

溶接部分の強度と品質を確保するため、材料接合部の端面などを溶接前に適切な形状に削るまたは切断する加工を行います。

 

機械加工、ガス加工、プラズマ加工などで加工作業を行います。

 

素地調整

鋼を熱延し、冷ました際にミルスケールという黒皮が表面を覆います。

 

これを剥がす素地調整を行いますが、方法としては電動工具を用いる方法と、ショットブラストを用いる方法があります。

 

摩擦面処理

鉄骨の表面は高力ボルトにより接合するため、摩擦面のすべり係数0.45以上を確保する必要があります。

摩擦面の処理方法として、自然発錆、薬剤発錆、ブラスト処理があります。

 

自然発錆は屋外に放置し、自然の環境下で赤錆状態を確保する方法です。

 

薬剤発錆は、素地調整のあと、薬剤を塗布して赤錆が発生するように促します。
ブラスト処理はショットブラスト等で処理をして一定の表面粗さを確保する方法です。

 

罫書き

製品の形を決めるために鋼材に目印を付ける作業です。
長さ、ポンチ、合わせ印など罫書き線を正確に付けます。

 

建築鉄骨は精密な加工が行われている

建設現場で行う鉄骨工事は、この記事でご紹介した方法で製作された鋼材を使用して組み立てられています。

 

鉄骨は建物の骨格となる非常に重要な役目を担う部材です。
したがって建築鉄骨の製作作業は、建物の強度にも関わりますので、正確に行う必要があります。

 

ときには大きな鉄骨を扱うこともありますが、大きな部材も精密な作業により、正確な寸法で加工されています。

 

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