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-建築が環境に与える影響・環境に配慮したサステナブル建築とは-

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近年、さまざまな分野で浸透しつつあるサステナブルという概念は、建設業界でも広がりつつあります。

建築物は規模の大きいものが多く、材料の生産から建物の運用にいたるまでさまざまな形で環境に影響を与え、環境問題の原因ともなっているため、あらゆる角度から持続可能な建物を運用するサステナブル建築が注目を浴びています。

 

今回は、建築が環境に与える影響や、環境に配慮したサステナブル建築について解説します。

 

 

建築が環境に与える影響

 

建築事業は、建設資材の生産に始まり、施工、完成後の運用、維持、改修、解体といった建築物のライフスタイルを通じて、さまざまな形で環境にインパクトを与え、環境問題につながるケースが多くあります。

 

資材の生産段階では、天然資源を採掘し、施工や建物の運用段階では、化石エネルギーを消費し、これにより温室効果ガスが発生しています。

また、建築物の建設、運用、解体などに発生する廃棄物は土壌や河川、海洋などの汚染を招くおそれがあります。

 

 

建築に関連する環境問題

 

地球上の環境問題にはさまざまなものがありますが、建築物の建設・解体などに関連する環境問題には次のようなものがあります。

 

地球温暖化

 

地球が太陽から受ける熱量と地球から宇宙空間に放出される熱量のバランスが崩れ始めており、地球側の保温性が高まりつつあります。

人為的に発生しているメタン、フロン、亜酸化窒素、二酸化炭素のなかでも特に二酸化炭素の影響が最も大きいとされており、化石燃料の消費量を抑えることが必要とされています。

 

建築関連の分野では多くの二酸化炭素を排出しており、環境問題に配慮するために化石燃料を使用した建材をできるだけ使わないなどの対策が必要です。

 

 

森林破壊

 

商業的伐採、燃料としての利用、移動農耕による伐採、家畜の食害などが原因で森林は減少し続けており、1年あたり日本国土のおよそ1/4にあたる面積が消失する環境問題が深刻化しています。

 

ただし、日本国内では、人件費の高騰により人工林の伐採が進まず、スギ花粉やヒノキ花粉によるアレルギー患者が増加しています。

一方で、人件費の安い国では、木材の伐採により表土が雨で流されて砂漠化が進んでいるという現状があります。

 

 

廃棄物

 

建築物を取り壊す際、大量の廃棄物が発生します。

分別・リサイクルにもコストがかかるため、廃棄して埋められるのが現状です。

 

また近年では環境問題に配慮するため、廃棄物の処理方法について厳しく問われるようになってきたため、建築物の取り壊しには大きなコストが発生します。

そのため、多くの空き家が解体されずに放置されるという問題も発生しています。

 

 

サステナブル建築とは

 

サステナブル建築とは、「持続可能な建築」という意味で、建築における設計、施工、運用の各段階で、省エネ、省資源、リサイクル、有害物質排出抑制を目指し、長期的に利用し続けられる建築物のことです。

 

同時に、地域の気候、伝統、文化、周辺環境に調和しつつ、将来にわたり人々の生活の質を適度に維持・向上させていく建築物の構築を目的としています。

 

サステナブル建築では、あらゆる角度から総合的な環境配慮が求められており、「地球」「地域」「生活」の3つの視点から構成されます。

 

地球への配慮

 

サステナブル建築では、地球環境に配慮した建築設計が求められます。

地球の環境問題に配慮するために、具体的に次の6つが求められます。

 

1.節電対策、CO2削減対策

2.再生可能エネルギーの使用

3.長期利用が可能な建物の設計

4.エコマテリアルの推進

5.ライフサイクル・マネジメント

6.世界基準への対応

 

 

地域への配慮

 

サステナブル建築においては、周辺地域の環境に十分配慮し、地域全体の持続可能な開発を実現させることにつながります。

 

1.地域のヒートアイランド抑制対策

2.動植物への配慮

3.文化・歴史への配慮

4.近隣住民・地域利用者への配慮

5.エネルギーのネットワーク化

6.防災への配慮…

 

 

生活への配慮

 

サステナブル建築では、省エネ性の高さと快適さを両立させた建築を目指します。

 

1.安全面への配慮

2.健康面への配慮

3.快適性への配慮

4.利便性への配慮

5.空調面への配慮

6.更新性への配慮

 

 

サステナブル建築を実現するための設計指針

 

一般社団法人日本建設業連合会では、「サステナブル建築を実現するための設計指針」のなかでライフサイクルに対する5つの説明責任を紹介しています。

 

将来を見据えたサステナブル建築の実現には、設計時点から、設計、施工、運用、更新、改修、解体のすべてのライフサイクルにおける未来の環境性能について十分な環境配慮が必要です。

サステナブル建築の設計指針については次のように紹介されています。

 

 

建物

 

1.設計・施工・運用・更新・改修・解体の各段階にわたり「建物ライフサイクル・マネジメント」の視点で一貫した方針」を有し設計に反映する設計者としての設計責任を持つ。

 

2.設計性能、施工性、メンテナンス性等のライフサイクル性能に、設計者としての説明責任を持つ。

 

 

事業

 

1.省エネルギー等の環境投資に対し、「最大事業価値」実現に設計者として寄与する設計責任を持つ。

 

2.事業性について「可能な限り数値化・指標化」し、設計者としての事業価値の説明責任を持つ。

 

 

 

1.居住者、利用者にとって最低基準だけでなく、快適で豊かな空間性能に資する「最適基準」を想定し、設計者としての設計責任を持つ。

 

2.人へのやさしさについて可能な限り数値化・指標化し、設計者としての居住環境性能の説明責任を持つ。

 

 

社会

 

1.建築は私的財産であると共に社会的財産でもあるという視点に立ち、遵法性はもちろん、歴史性、文化性、景観性等の広義の社会性に対し、設計者としての設計責任を明確化する。

 

2.変化し続ける多様な価値観や基準に対して、設計者としての社会財産の視点での説明責任を持つ

 

 

造り方

 

1.建設時も建設後も一貫して環境・サステナブル性に配慮し、構工法やユニット化等の生産段階の工夫を取り込んだ、施工実現度の高い環境設計をする設計責任を持つ

 

2.設計・施工・運用・更新・改修・解体の各段階にわたり、設計者としての造り方の説明責任を持つ

 

 

多くの建築物で環境問題に取り組んでいる

 

地球上で環境問題が深刻化しているなか、日本の建設業界では、サステナブル建築に注目が集まっています。

 

実際に、阪神甲子園球場やみなとみらいセンタービルなど、さまざまなサステナブル建築が建設されており、環境と利用する人々に優しい建物や設備が建設されています。

 

街を歩くときには建築物がサステナブルに配慮されているか、という視点で街並みをチェックしてみてはいかがでしょうか。

 

 

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