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建築物の基礎は布基礎とベタ基礎どちらがいい?メリットとデメリット

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住宅の工事期間は半年程度かかりますが
そのうち基礎工事にかかる期間はおよそ1カ月を要します。

 

長い工事期間がかかるほど家にとって基礎は重要なものですが
現代の日本国内の住宅の基礎は主に布基礎またはベタ基礎の2種類から選びます。

 

それぞれ特徴がありますのでコスト面や地盤の状態を踏まえて
適切な基礎を選択する事が大切です。

 

そこで、布基礎とベタ基礎の構造の特徴とメリット・デメリットをご紹介します。

 

住宅の基礎の役割

住宅の基礎は建物の荷重や地震や風等
外から加えられる力等をバランスよく地盤に伝えるための構造部で
地盤と建物をつなぐ重要な役割を担っています。

 

良好な地盤でそれほど重くない建物を建てる場合と3階建て等
重量のある建物を建てる場合では選ぶ基礎が変わります。

 

また、冬季の地面の温度によっても適した基礎が変わってきます。

 

基礎の種類は直接基礎と杭基礎に分かれます。

 

直接基礎には布基礎、ベタ基礎、独立基礎があり
杭基礎には支持杭基礎、摩擦杭基礎があります。
その他、ケーソン基礎、パイルドラフト基礎などもあります。

 

住宅を建てる際には地盤の強さも重要です。
地盤が良い場合はどんな基礎を採用しても問題ありませんが
地盤が弱い場合には対策が必要です。

 

特に盛り土のある地盤、湿地・水田だった場所、不安定な擁壁がある場所
液状化の恐れがある地盤の場合は注意が必要です。

 

軟弱地盤では

 

・盛り土を地盤改良する
・杭を打設する
・基礎の強度を高くして不動沈下を防止する
等の対策を行います。

 

先祖代々の土地等
住む土地の地盤を選べない場合もあります。

 

その場合は地盤調査をしっかりと行い、適切な対策をする事で
地盤に対応した基礎を造る事ができます。

 

布基礎の構造

布基礎は日本家屋で古くから使われてきた工法です。

 

T字を逆さにした形状の鉄筋コンクリートを柱や壁等の下に打ち込みます。
T字の頭の部分のフーチング(底盤)は地面に埋まりますので
コンクリートの線が間取りの様に立ち上がって見えます。

 

布基礎では基礎の無い部分に防湿用コンクリートを薄く敷き詰める事がありますが
このコンクリートは上に乗る家を支える役目は担っていない為
布基礎は線と点で建物を支える構造となります。

 

建築基準法で定められている立上がり部分は
高さが地上部分で300mm~、厚さ120mm~、根入れ深さ地面から240mm~
フーチング(底盤)厚さは地面から150mm~です。

 

フーチングの幅は地盤の許容応力度に応じて定められています。

 

ベタ基礎の構造

ベタ基礎は建物の床下一面に鉄筋コンクリートを敷いて作る基礎です。

 

立ち上がっている部分と床面すべてをコンクリートで一体化し
面で支えるように厚くコンクリートを敷きます。

 

その為、建物の重さが分散され、耐震性を高める事が出来ます。
また、地盤が弱い場所や重量のある建物に適しています。

 

阪神大震災の後から普及し始めた手法で
現在の日本の一般的な住宅の多くはベタ基礎を採用しています。

 

建築基準法では立上がり部分は布基礎と同じですが
地の厚さ120mm~、根入れの深さは原則120mm~とし
凍結深度より深いものとされています。

 

布基礎のメリット・デメリット

布基礎のメリット

布基礎の優れている点は

 

・コンクリートの使用量が少ない為、コストを抑える事が出来る
・場所によってはベタ基礎よりも高い強度を得る事が出来る
です。

 

ベタ基礎に比べて流し込むコンクリートの量が少ない為
施工コストを抑える事ができます。

 

また、布基礎は地面深くに基礎を打ち込みますので
土地によってはベタ基礎よりも高い強度を維持出来る事もあります。

 

布基礎のデメリット

布基礎の注意点は

 

・耐震性はベタ基礎に比べて劣る傾向がある
・ベタ基礎と比べて湿気やシロアリ被害を受けやすい
です。

 

布基礎は建物を点と線で支える為、ベタ基礎に比べて耐震性は劣ります。

 

また、湿気とシロアリ対策として防湿シートを敷き
コンクリートを流す事もありますが、ベタ基礎の半分適度の薄さのため
湿気・シロアリリスクはベタ基礎に比べて高くなります。

 

ベタ基礎のメリット・デメリット

ベタ基礎のメリット

ベタ基礎の優れている点は

 

・耐震性に優れている
・湿気対策・シロアリ対策ができる
です。

 

ベタ基礎では建物の床全体を面で支える為、耐震性に優れています。
その為、1995年に発生した阪神大震災以降に大きく普及し
現在では一般的な基礎となっています。

 

また、地面をコンクリートで覆う為、地中からの湿気が建物の木部に伝わりにくく
湿気対策や床下からのシロアリの侵入リスクを軽減する事ができます。

 

ベタ基礎のデメリット

ベタ基礎の注意点は

 

・コストが高くなる
・寒冷地では向いていない
です。

 

ベタ基礎は布基礎と比較して必要なコンクリートの量が多くなり
その分費用が高くなります。

 

また、地面が凍結するような寒冷地や
標高の高い地域ではあまり向いていません。

 

布基礎とベタ基礎、どっちが良い!?

布基礎とベタ基礎双方のメリットとデメリットをご紹介しましたが
結局どちらが良いのでしょうか。

 

結論から申し上げますと

 

・予算や地域に問題なければベタ基礎
・凍結深度が設けられている地域では布基礎
がおすすめです。

 

耐震性はベタ基礎が有利だが布基礎でも十分に対策できる

ベタ基礎は建物を面で支えますので
耐震性ではベタ基礎が優れています。

 

しかし、布基礎でも立上がり部分の底盤を広くしたり
地盤を強固にする、建物の構造を強化する等
耐震性を高める工夫により対策する事が可能です。

 

湿気・シロアリはベタ基礎が強いがどちらも定期的な点検は必要

ベタ基礎の方が湿気やシロアリに強い構造ですが
必ずしも安心という訳ではありません。

 

ベタ基礎も布基礎も最低でも5年に1回はシロアリ調査と防除を行う必要があります。

 

寒冷地は布基礎が向いている

冬場に頻繁に0度を下回る寒冷地や標高の高い地域では
土地の凍結が起こる可能性があります。

 

地中にある水分が凍ると体積が膨張し、建物を持ち上げてしまいます。

 

建物が持ち上げられると基礎がひび割れを起こす事があり
建物に歪みを生じさせてしまう事もあります。

 

多くの自治体が設計者の判断に任せていることが多いですが
地方自治体によっては凍結深度を規定している場合もあります。

 

このような地域では定められた深度よりも深い所に基礎を設置する必要があります。

 

凍結深度がある場合ベタ基礎では掘る面積が多くなりコストが掛かりますので
布基礎の方が良い場合があります。

 

工程と工期に大きな差はない

どちらの基礎も工事期間や工程に大きな差はありません。

 

基礎工事の大まかな流れは以下となります。

 

1.地盤調査
建物を建てる土地の地盤調査を行い、必要に応じて地盤改良を行います。

 

2.採掘工事
手作業や重機を使って基礎の底の部分まで掘削し土を取り除きます。
布基礎では立上がり部分を、ベタ基礎では範囲内を全て採掘します。

 

3.砕石を入れる
採掘した部分に砕石を入れ、地面を固めます。

 

4.防湿シートを敷き、捨てコンを流し入れる
砕石の上から防湿シートを敷き、建物が建つ位置が分かるように
コンクリート(捨てコン)を流します。

 

5.鉄筋を組み、コンクリートを打設する
コンクリートの上に印をつけ、鉄筋、型枠を組み、コンクリートを流し入れます。
コンクリートが固まったら型枠を外します。

 

6.完成

 

地盤の強さ・コスト面などから適した基礎を選びましょう

現代の日本の一般住宅では
布基礎又はベタ基礎の2種類から選択するのがふつうです。

 

一般的に耐震性やシロアリ対策であればベタ基礎
コスト面や寒冷地であれば布基礎が有利となりますが、どちらにも良し悪しがあります。

 

新築住宅を建てる際には施工会社とよく相談をし
地盤、地域、予算等から基礎の種類を選択するのが良いでしょう。

 

経験豊富な建築会社であれば
地盤に合った適切な基礎を提案してくれますので、業者選びも重要です。

 

もし疑問点がある場合は
積極的に担当者に質問をして疑問を解消するようにしましょう。

 

また、基礎は建物の要となる部分ですので、丁寧な施工を心掛けている会社
または型枠工事を専門的に行っている業者に基礎工事を委託しているハウスメーカーに依頼すると安心です。

 

沖縄の型枠工事は、民間から公共までお任せください。

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