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建築物で重要な土台とは?基礎との違い、土台工事の流れ

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土台は建物の中でも非常に重要な部分ですが、建築業界とあまり縁がない一般のお客様には基礎と土台の区別が分からないという方が多いのではないでしょうか。

 

土台は基礎と建物を繋ぎ、地震や風などで建物が受ける水平力を基礎に伝える役割をしています。

この記事では土台とは何か、土台の役割や土台工事の流れをご紹介します。

 

土台とは

土台は木造建築で基礎の上に横にして据える木材のことです。
建物を支える基礎と建物の柱などを繋ぐのが土台です。

 

布基礎またはベタ基礎のコンクリートの壁部分に木材をアンカーボルトで設置します。

 

柱は土台にほぞ穴を開けて差し込みます。
近年では金属プレートを用いて柱を固定する方法も増えています。

 

土台と柱がしっかりと接合されていることは建物の強度にとって重要です。
接合が弱いと地震の揺れで柱が抜け、建物が倒壊してしまう可能性があります。

 

土台の役割

土台は柱などから伝わる荷重を支え、基礎に伝える役目をしています。

 

建物の荷重は柱の底面に集中してかかります。
その重みによって地盤の一部が沈下したり滑り出したりする不等沈下が起こることもあります。

 

不等沈下が起こらないように土台は柱からの荷重を均等にし、基礎がバランスよく建物を支えられる働きを持っています。

 

また、建物全体の「水平」の基準となり、筋交などの耐力壁が負担する水平力は土台を介することで基礎まで伝達することが可能です。

 

基礎と土台の違い

土台と基礎は一般の方に混同されやすい部材です。
しかし、土台と基礎は全く異なります。

 

簡単に言えば
・土台…耐力壁が負担する水平力を伝達する部材
・基礎…建物全体の重量を支える部材
です。

 

基礎は地面と建物を繋ぐ部材で、建物全体の重さを支えています。
土台は基礎の上に置き、基礎と建物を繋いで耐力壁が負担する地震や風圧など床面に平行に作用する力を基礎に伝えます。

 

また、基礎は一般的に鉄筋コンクリートですが、土台は木材です。
コンクリートの基礎の上に木材の土台を乗せ、土台に柱を緊結します。

 

土台の構造

現在の木造住宅では一般的に「側土台」「間仕切土台」「火打土台」の3つが敷かれます。

 

側土台は平面形外周を構成するもので、部屋の間仕切りを構成するために間仕切土台が敷かれます。
これらの土台の主要な交差部分にはそれぞれの辺を土台より小柄の角材で斜めにつないで火打土台とし、歪みを防ぎます。

 

継手には主に腰掛かま継ぎや腰掛あり継ぎが用いられます。

 

防腐土台

従来、土台に使う樹木には湿気に強い栗や檜、アピトン、イペなどを用いていましたが、現在では檜や檜集成材、カラマツ集成材、ベイツガなどが主に用いられており、多くは加圧注入による防腐処理が施されています。

 

防腐処理は主に銅系、有機系、ホウ素系の木材防腐剤を用いており、有毒とされる成分を含む防腐剤は現在は使われていません。

 

土台はアンカーボルトで緊結する

土台と基礎、柱は木材住宅用アンカーボルトで緊結します。

アンカーボルトは地震などの水平力によって建物が基礎から外れたり、持ち上げられたりしないようにするための部材です。

 

建築基準法施行令では「構造耐力上主要な部分である柱の脚部は、国土交通大臣が定める基準に従ったアンカーボルトによる緊結その他の構造方法により基礎に緊結しなければならない。」としています。

 

アンカーボルトの位置は耐力壁の両端の柱の下部から200mm以内、土間切れの箇所、土台の継手及び仕口の意思とします。
それ以外の部分は2.7m以内の間隔で埋設します。

 

アンカーボルトの埋込長さは250mm以上としますが、ホールダウン専用アンカーボルトの場合は柱脚部の短期許容耐力が25kN以下の場合、360mm以上埋め込みます。

 

アンカーボルトの主な規格はZマークと呼ばれるもので、基礎と土台を緊結するL型の形状のM12用アンカーボルトと基礎と柱をホールダウン金物を介して緊結するJ型の形状のM16用アンカーボルトの2種類があります。

 

土台工事の流れ

土台工事は基礎工事の次の工程で行います。
基礎の立ち上がりコンクリートの上に土台や大引を設置していきます。

 

土台・大引

まず、現場に土台や大引の材料を搬入します。
材料はあらかじめプレカット工場で加工されたものが運ばれてきます。
材料には記号が記されており、プレカット図を見て材料との照合をします。

 

立上りコンクリートの上に基礎パッキンを敷きます。
基礎パッキンは床下の換気をよくし、基礎と土台の縁を切り、コンクリートの湿気を土台に伝えない役割があります。
従来では基礎に換気口をあけて換気していましたが、現在では基礎パッキン工法が主流です。

 

次に基礎パッキンの上に土台を敷きアンカーボルトで緊結し、大引を組み、鋼製束で支えます。

 

土台防蟻

土台の木材に防蟻処理用の薬剤を散布します。

 

建築基準法では木造建築の場合、地面から1mの構造耐力上主要な部分(土台、柱、筋交など)に対し、有効なシロアリ対策を講じることが定められています。

 

従来は神経毒性を持つ農薬系有機薬剤の散布が行われてきましたが、建築基準法の改正により効果が長く持続する農薬の使用が健康被害や環境汚染の観点から禁止されました。

 

現在使用が認められているのは合成ピレスロイド系、ネオニコチノイド系などの農薬成分となります。

 

床断熱材を敷く

土台と大引の間に床用断熱材を敷きます。
床用断熱材は長期間にわたり断熱性能を持続するだけでなく、床下からの湿気を通しにくく、この上に張る床合板を湿気から守ります。

 

床断熱をしていると床下からの冷え込みを防止する役割があります。

 

床合板を張る

床合板はフローリングの下に張る構造用の厚い板のことです。

 

大引の上から直接合板を貼り付ける工法を剛床工法(根太レス工法)と呼びます。
剛床工法は床面を一体化させるため、水平性を高め、地震や台風で受ける床面の横揺れやねじれを抑える効果があります。

 

土台の役割を知っておきましょう

土台とは何か、土台の役割や基礎との違いなどについて解説しました。

 

もし、住宅の建築現場でコンクリートの基礎の上に木材を敷く工程を行っているのを見かけたら「土台工事をやっているんだな」と分かるのではないでしょうか。

 

土台は地震や風などの地面と水平に働く力を柱から受け、基礎に伝える重要な役割を担っています。
新築を計画しているときは是非土台や基礎にも注目してみてください。

 

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