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ー型枠工事に欠かせないセパレーターとは?役割と種類・施工方法ー

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型枠工事は建物の基礎を作る大切な工程です。

基礎に歪みがあると建物全体に影響が出てしまうため、緻密さを求められる作業であり、高い技術が必要となります。

その型枠工事で欠かせないのが「セパレーター」という金物です。

 

今回は、型枠工事で使用するセパレーターの役割や種類、型枠の建込手順について解説します。

 

 

セパレーターとは

 

セパレーターとは、型枠工事の際に用いられる金物で「セパ」とも呼ばれるものです。

 

鉄の棒の両端にねじが切ってあり、型枠の両側のパネルを一定の間隔で保持し、コンクリートを設計図通りの厚みに仕上げます。
型枠工事では、コンクリートの形状や仕上げによってさまざまな種類のセパレーターを使い分けます。

 

型枠の穴にセパレーターを通し、両端のねじ部分にPコンや座金などの部品を取り付けて固定するのが、セパレーターの使い方です。

セパレーターはジョイントなどで組み合わせて使うことも、単体で使うこともあります。

 

 

セパレーターの役割

 

セパレーターには型枠を固定してコンクリートの厚さを決める役割と、型枠の中にコンクリートを流し込んだ際に型枠が壊れないようにする役割があります。

 

 

コンクリートの厚さを決める

 

型枠の内側にセパレーターを入れ、型枠の外側をねじで固定します。

セパレーターで型枠を固定することによってコンクリートの厚さが決まります。

 

型枠工事では型枠がずれることなく、図面通りに設置されていなければなりません。

型枠をセパレーターで固定することで型枠がずれることを防ぎ、コンクリートを決められた厚さに流し込めます。

 

 

型枠の強度を上げる

 

型枠の強度を上げることも、セパレーターの役割です。

型枠の中にコンクリートを流し込むと、型枠に大きな力がかかり、型枠が歪んだり、コンクリートが決壊したりするおそれがあります。

 

セパレーターは型枠を内側へ引っ張るようにして、型枠の変形を抑えます。

使用する箇所によってセパレーターを使い分けることで、型枠の強度が維持されるのです。

 

 

セパレーターの種類

 

型枠工事に使われるセパレーターにはいくつかの種類があります。

 

 

H型セパレーター(エイチ・座金)

 

H型セパレーターは座金とも呼ばれるタイプで、棒に平たい金具が付いています。

長さは2分5厘と3分の二種類あり、基本的によく使われるタイプです。

 

地中に隠れる地中梁や基礎などの場所や、建築物の上部で仕上げがある場所などで使用されます。

 

 

B型セパレーター(Bセパ)

 

セパレーターの両側にPコンを取り付けるタイプをB型セパレーターといいます。

 B型セパレーターはクロスの直張り面、塗装面、外部のタイル面、コンクリート打ち放し仕上げ面などで使用します。

 

 

C型セパレーター

 

セパレーターの両側に六角形のナットを取り付けるものをC型セパレーターといいます。

基礎や地中梁、硬質ウレタン吹付面、軽量鉄骨など内側に新たに仕上げを設ける場合などに使用されます。

 

 

BC型セパレーター

 

片側にPコンを、もう片側にナットを取り付けるセパレーターはBC型セパレーターといいます。

内部と外部の仕上げが違う場合などに使用します。

 

 

スタッド型セパレーター

 

切りっぱなしのセパレーターです。

仕上げの仕様によってカップ、丸ワッシャー、Pコン、六角座金等を使用します。

 

両端が溶接になる場合に使用されます。

鉄筋に溶接することは近年ではほとんど禁止されているため、補助金具を鉄筋にセットします。

 

 

曲げ型セパレーター(曲げセパ)

 

曲げ型セパレーターは、型枠工事においてコーナー部分で使用するセパレーターです。

ただし、曲げセパレーターは、コンクリートを打設した際にコンクリートの重みに耐えられずに曲がってしまい、枠がずれてしまう恐れがあります。

基礎工事ではパイプで補助します。

 

 

コーナー曲げ型セパレーター

 

直角の角に設置する曲げ型セパレーターです。

 

 

セパレーターの強度

 

セパレーターには太さによって強度が変わり、太くなればその分強度も増します。

 

セパレーターの強度と太さは以下の通りです。

 

太さ 呼称 引張許容強度(kgf) 引張許容強度(kN)
W5/16 2分5厘 1,400kgf 13.7kN
W3/8 3分 2,100kgf 20.6kN
W1/2 4分 2,800kgf 274.kN

 

セパレーターの最も基本的な太さは2分5厘となります。

 

 

型枠の建込手順

 

型枠工事のうち、型枠の建込手順は一般的に次のようになります。

 

 

1.型枠材搬入

 

型枠材を施工図をもとに加工し、現場に搬入します。

搬入の際の資材の荷下ろし場所や運搬方法については事前に施工業者との打ち合わせが必要です。

 

 

2.型枠建込(片面)

 

片面の型枠を建て込みます。

基礎梁では基本的に鉄筋を組み立てたあと、片面を建て込んでいきます。条件によっては型枠を片面建て込んでから鉄筋を組み立てるなどの対応も可能です。

 

フーチング基礎では、底盤のコンクリートを打設したあと、上部の梁の打設を行います。

そのため、二回に分けて型枠を組みます。

 

 

3.セパレーター設置

 

片面建込をしたらセパレーターを設置します。

セパレーターをホームタイなどで締め付けて固定します。

 

 

4.型枠建込(返し)

 

反対側の建枠を建て込みます。

 

 

5.単管・ホームタイ取り付け

 

型枠材の板がずれないように単管をホームタイで締め付けて固定します。

 

 

6.支保工取り付け

 

コンクリートを打設した際、型枠には大きな圧力がかかるため、型枠が壊れることのないよう、控えを取ります。

型枠完了時や打設中に型枠が傾いた場合、パイプサポートやターンバックル付きの型枠チェーンなどを使用して倒れを調節します。

 

 

7.建て入れ確認

 

建枠が直線になっているか、倒れていないかの確認が必要です。

 

直線の確認は水糸を型枠と平行に張って、水糸から型枠までの距離を測ります。

倒れの確認は、下げふりを使用して垂直になっているかを見ます。

 

 

セパレーターは型枠工事では欠かせない存在

 

セパレーターはコンクリートの厚みを決めるだけでなく、型枠の強度を上げる、型枠工事では欠かせない部材です。

種類も多く、施工内容に応じて適したセパレーターを選ぶ必要があります。

 

型枠工事は誤差±3mm以内に収めなければならない高い技術力を求められる工事です。

特に型枠にコンクリートを流し込む際、型枠には何トンもの圧力がかかります。

型枠の歪みを防ぎ、図面通りの基礎を作るためにも、セパレーターは重要な役割を担っています。

 

沖縄の型枠工事は、民間から公共までお任せください。

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