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-建築物の「ベタ基礎」とは?メリットとデメリット・布基礎との違い-

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建築物において、基礎は重要な構造部分です。
基礎には主にベタ基礎と布基礎があり、近年多く採用されているのがベタ基礎です。

今回は、ベタ基礎について解説します。

木造住宅の基礎

住宅の基礎とは

基礎は建物の下に見える鉄筋コンクリート造の部分です。
建築物本体を「上層構造」と呼ぶのに対して、基礎は「下部構造」とも呼ばれ、基礎を造る工事を基礎工事と呼びます。

基礎は地面から少し下がったところから施工され、建築基準法では地面から基礎の底盤までの根入れ深さが基礎の種類ごとに定められています。

・布基礎根入れ深さ…地面から240mm以上
・ベタ基礎根入れ深さ…地面から120mm以上

・布基礎底盤厚さ…地面から150mm以上
・ベタ基礎底盤厚さ…地面から120mm以上

基礎の役割

基礎の役割は建物の重さや地震や風などの力を地面に伝える役割があります。
また、地面の湿気が建物に伝わらないようにする役割もあります。

基礎が適切な強度で造られていないと、住宅が傾いてしまったり、基礎が沈下してしまったりする可能性があります。

いくら頑丈な家を建てても基礎が弱ければ意味がなく、構造計算などの検証を行って建物に適した基礎を造る必要があります。

基礎は鉄筋コンクリート造

建築物が木造、鉄筋造、RC造いずれであっても基礎はすべて鉄筋コンクリートで造られています。
理由は建築基準法で定められているためです。

鉄筋コンクリートのコンクリートには圧縮力に対する抵抗力があり、鉄筋は引張力に対する抵抗力があります。

建物の重さがかかると基礎の耐圧盤の上には圧縮力が、下には引張力がかかります。
地震のときに下から突き上げられると、耐圧盤の上には引張力が、下には圧縮力がかかります。

このように、基礎に力がかかったときに、コンクリートと鉄筋がそれぞれ抵抗して建物を守ることができます。

双方の利点が合わさって地震や風などさまざまな方向からの外圧力に対して強い構造体になります。

建築物の基礎に関する法律

建築物の基礎に関する法令は建築基準法施行令第38条に規定されています。

第38条には
「建築物の基礎は、建築物に作用する荷重及び外力を安全に地盤に伝え、かつ、地盤の沈下または変形に対して構造耐力上安全なものとしなければならない」
としています。

住宅建築や小規模建築においては第38条第1項と3項が主に該当し、基礎に関する具体的な規定については第3項が重要です。

基礎の種類

基礎は大きく分けて「布基礎」と「ベタ基礎」の2種類があります。

布基礎

布基礎は建物の壁面に沿って連続した設けられた帯状の基礎のことです。
床面もコンクリートを敷き詰めますが、これは鉄筋のない無筋コンクリートとなります。

古くから日本の家屋の基礎として採用されてきたもので、断面を見るとアルファベットのTを逆さにしたような形状になっています。
住宅を支えているのはコンクリートが立ち上がっている部分のみで、点で建物を支えます。

安定した地盤であれば布基礎で十分な強度を確保でき、近年では鉄筋系のプレハブ住宅でよく使われています。

ベタ基礎

ベタ基礎は建物の底面全体が板状の基礎のことです。
基礎の立ち上がりだけでなく、底面一面が鉄筋コンクリートになっており、建物の荷重を面で支えます。

近年の木造住宅ではベタ基礎が多く使われています。

ベタ基礎のメリット

強度が高く耐震性に優れている

ベタ基礎は建物を面で支えるため、強度が高く耐震性に優れています。
そのため、地盤が弱い場所や重量のある住宅に適しています。

湿気に強い

床下全面がコンクリートで覆われているため、地面の湿気を建物に通しません。
そのため、湿気に弱い木造住宅に適しています。

シロアリなどの害虫の侵入を防ぐ

床下全面をコンクリートで覆うため、害虫の侵入を防ぐ効果があります。
また、住宅に湿気を通しにくいため、湿った木材を好むシロアリの侵入を防げます。

ただし、シロアリは定期的な防除が欠かせません。
ベタ基礎であってもシロアリ防除は怠らないようにしましょう。

ベタ基礎のデメリット

コストがかかる

ベタ基礎は地面全面を鉄筋コンクリートで覆うため、使用する鉄筋とコンクリートの量が多くなり、費用が高くなります。

また、残土も布基礎よりも多く発生するため、残土処理費用もかさむ傾向があります。

*寒冷地ではコストが高くなる可能性

気温の低下で地中が凍結すると、地面が膨張し、建物や基礎に悪影響を与える可能性があります。
また、寒冷地の場合、基礎を造る際に深い根入れが必要となり、建築コストが高くなる可能性があります。

ベタ基礎の施工の流れ

ベタ基礎の基礎工事は一般的に次のような手順で行います。

1.地盤調査

施工前には地盤調査を行います。
地盤調査で問題なければすぐに施工できますが、地盤が軟弱な場合には地盤改良工事が必要です。

2.地縄張り(遣り方工事)

図面をもとに、土地に対する建物の配置を確認する工程です。
基礎の外周部分に縄で印をつけます。

3.掘削工事・砕石敷き

重機を使って基礎の底面まで地面を掘り、土砂を搬出します。
掘った部分に砕石を敷き詰め、転圧機で固めます。

4.防湿シート敷き

地面からの湿気が住宅に入り込まないようにするため、防湿シートを敷きます。

5.捨てコン打設

コンクリートを厚さ5cm程度流し、平らにします。
捨てコンは地面をならし、墨出しをしやすくするのが目的です。

6.配筋工事

基礎の鉄筋を組みます。
鉄筋同士は結束線で固定します。

鉄筋を組んだら配筋検査で図面の通り適切に鉄筋が組めているかを確認します。

7.型枠工事

基礎の外周にコンクリートが漏れないよう、型枠を組みます。
コンクリートの重量で型枠が歪んだり決壊してしまうことのないようにしっかりとした強度で組んでいきます。

8.コンクリート打設

基礎の床に生コンを打設し、次いで立ち上がりの型枠部分にコンクリートを流し込みます。

9.養生・型枠解体

コンクリートを打設したら養生します。

建築工事標準仕様書では養生期間は5日間となっており、夏場の気温が高い時期でも3日間の養生が必要です。

養生が終わったら型枠を解体して基礎の完成です。

ベタ基礎は近年の木造住宅で広く採用されている

住宅の基礎とはどのようなものか、ベタ基礎のメリット、デメリット、施工の流れなどについてご紹介しました。

30年ほど前までは布基礎が一般的でしたが、現在では木造住宅の基礎にはベタ基礎が多く採用されています。

ベタ基礎は耐震性もあり湿気を建物内に入れにくいという特徴があり、木造住宅の基礎に合っていると言えます。

一方で鉄骨造は布基礎も多く、建物に適した基礎を設置することが重要です。

 

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