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「建築」と「土木」の違いとは?業種・仕事内容の違いを解説

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建設分野の中には「建築」と「土木」がありますが、この2つの違いをご存知でしょうか。

 

なんとなく建築は建物の工事、土木は道路など地面の工事と考えていて、はっきりと区別したことがない方も多いのではないでしょうか。
この記事では建築と土木の違いを解説します。

 

建築と土木の語源

 

建築の語源

「建築」は英語の「Architecture」の訳です。

 

江戸時代に「Architecture」ということばが日本に入ってきたときは、対応する訳語として「造家」と「建築」の2つがあり、明治中頃まではこの2つの言葉を使っていました。

 

当初は「造家」の方が広く使われており、学科名も「造家学科」という名称でした。

 

ところが、「造家」ではデザインや芸術性という側面が弱くなってしまいますので、1894年の論文で「建築」を使用する提言がなされ、現在では「建築」が広く使われています。

 

土木の語源

一方、「土木」に関しては語源が諸説あり、明確には分かっていません。

 

中国では紀元前から「土木」という言葉が使われており、日本では8世紀頃から登場していますが、この関連性や現在の「土木」に関係があるのかは不明です。

 

明治初期には「土木司」という官職ができました。
さらに英語の「Civilengineeting」の訳語として「土木学」が当てられました。

 

建築と土木の違い

 

建築とは

建築基準法では建築とは「建築物を新築し、増築し、改築し、又は移転すること」とされています。

 

ここで言う建築物とは簡単に言えば屋根と柱または壁があり、人が安全に利用できる場所・空間のことを指します。
つまり、建築の仕事は土木で構築した人工の環境に人々が安全で快適に利用することができる空間を作ることです。

 

建築工事としては学校、ビル、マンション、戸建て住宅、病院など、人が学んだり、働いたり生活するための空間をつくる工事が該当します。

 

土木とは

土木とは建物以外の建設工事のことです。

 

主に木材や土石を使って道路や橋、歩道橋、ダム、水道などの人々が生活するのに必要であったり、便利な生活を送るためのものを作ることです。
建築では戸建て住宅のような小さなものも扱いますが、土木工事では比較的大規模なものを作ります。

 

建築と土木の仕事内容の違い

 

建築のしごと

建築の仕事は細かく細分化されており、設計、営業、とび職、鉄筋・鉄骨工、内装デザイナーなど多岐に渡ります。

 

設計には「構造設計」「意匠設計」「設備設計」があります。
構造設計は建物に必要な強度などを計算して設計します。

 

意匠設計は建物の外観や内部の構成、内装デザインを設計します。
設備設計は電気や機械、水道設備の設計を行います。

 

建築系の就職先として主なものは設計事務所、ゼネコン、ハウスメーカー、設備関連会社、公務員などがあります。

 

土木のしごと

土木の仕事は営業、設計、測量、整地、施工計画、安全管理などです。
また、土木では測量なども行います。

 

現場によって工事の種類も変わり、工事内容や必要なスキルも異なります。

 

現場では土木作業員が掘削、道路整備などを行います。

 

建築・土木を学ぶ学部・学科の違い

 

建築を学ぶ場所

建築を学ぶ場所は、大学の工学部や理工学部の建築学科や建築関連の専門学校があります。

 

建築士の取得を目指している場合、大学・専門学校で建築学科を専攻すれば建築士試験の受験資格である必要実務経験の年数が0~4年となるため、建築学科を卒業すると短期間で資格を取得することができます。

 

土木を学ぶ場所

土木を学ぶ場所は、大学の工学部、理工学部の土木工学科と土木関連の専門学校があります。

 

測量学、測量実習を修了し、土木学科を卒業すると申請のみで測量士補資格を取得可能なほか、「土木施工管理技士」「管工事施工管理技士」などの資格で受験資格となる実務経験が免除されます。

 

土木工事の内容

建築と土木の違いについて解説しましたが、ここからは土木工事の主な内容についてもう少し詳しくご紹介します。

 

河川・海岸工事

河川・海岸工事はさまざまな場所で水害を防ぎ、近隣の安全を確保する為に行う工事です。

 

大雨などの影響で起こる氾濫を防ぐ為、堤防の強化や河川の掘削を行います。河川工事には多くの種類があり上流、中流、下流等の場所により工事の方法を使い分けます。

 

橋梁工事

橋梁工事は橋を作る工事です。
造成する橋は鉄を使った鉄橋やコンクリートを使った橋が中心で、一般的には地中で橋を支える基盤、橋脚をつくり、橋桁を設置してから道をつくります。

 

空港建設工事

空港建設工事は陸上では用地造成工事の後、舗装工事、建築工事を行います。
海上の場合は護岸築造工事、埋立造成工事など、陸上とは異なるアプローチで工事を行います。

 

公道下の下水道工事

公道下の下水道工事は管工事、土木一式工事、水道施設工事のうち「土木一式」に該当します。
まず舗装を切断し、道路を掘り下げ、基礎を造って下水管を設置します。

 

ダム工事

ダム工事はコンクリートや土砂を使ってダムをつくっていきます。
防砂ダム工事、貯水池ダム工事などがありますが、ダム工事は規模が大きいため、ダムの前に工事用の道路づくりから始まります。

 

道路・トンネル工事

道路工事では土で路床を造った上に砕石を乗せ、ローラーで踏み固めます。
その後アスファルトを重ねて表層をつくります。

 

トンネルは掘削した壁に鉄板や木板を当てて支柱で支え、内側をコンクリートで固めてつくります。

 

土地区画整理工事・土地造成工事

建築できるように土地を整える工事です。
多くの場合地面をならして整える作業を行います。

 

砂防工事

河川の氾濫や土砂災害を防ぐための工事です。
加えて森林火災などで荒れた土地を安全な土地に整えたり、安全な土地として整える工事等も砂防工事に含まれます。

 

農業土木工事(灌漑水道工事/農用造成工事)

農地を守る事や生産性向上を目的として、河川等から水を引く工事です。

 

森林土木工事(治山工事/林道工事)

森林の道を整えることや土砂災害を防止を目的に行う工事です。
治山工事と林道工事に分かれています。

 

建築・土木業界志望の方は両者の違いを知っておきましょう

建築と土木の違い、土木工事の内容について解説しました。

 

建築、土木業界を志望している方は両者の違いを知っておくことが大切です。
建築と土木では必要な資格も違ってきますので、資格取得の準備も早めにしておくと良いでしょう。

 

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