建築工事の「基礎工事」とは?種類、工事の流れを徹底解説
住宅を建てる際に間取りや内装、外観のことを考える方は多いですが、基礎工事は良く分からないので業者にお任せしている方も多いでしょう。
しかし、基礎は家の土台となる重要な部分であり、建物が建ってしまうと見えにくい場所ですのでしっかりとした基礎工事を行いたいものです。
そこで、建築工事の基礎工事とはどのようなものか、基礎の種類、基礎工事の工程などを解説します。
基礎工事とは
基礎とは土地と建物を繋ぐ部分です。
つまり、基礎工事は建物と地面のつなぎ目となる土台を作る工事で、建物の丈夫さを左右するとても大切な工程です。
基礎工事の前には地盤調査を行い、地盤が軟弱な場合には地盤の硬い部分にまで杭を打つなどの地盤改良を行います。
基礎工事の期間
一般的に一戸建て住宅の工事日数は6ヶ月ほどかかります。
そのうち基礎工事は1ヶ月ほどかけて行います。
基礎工事は建物が建ってしまえば見えない部分となりますが、家が建っているのに重要な役割を担うため、作業工程も多く長い時間をかけて行います。
基礎工事の種類
基礎工事は大きく2つに分かれる
基礎工事は大きく「杭基礎」と「直接基礎」に分かれます。
杭基礎は柔らかく軟弱な地盤で採用され、硬くしっかりとした地盤では直接基礎が採用されます。
直接基礎にはさらにベタ基礎、布基礎、独立基礎、SRC基礎に分類されます。
杭基礎
地盤調査により地盤が軟弱であることが分かった場合、直接基礎では建物が安定しませんので地盤が固い部分まで杭を打つ杭基礎を採用します。
杭基礎には2つの種類があり、支持層まで杭を到達させる「支持杭」と支持層がない場合に杭側面の摩擦により支える「摩擦杭」があります。
杭打ちの方法は地盤の柔らかさ、その地盤の上に建てる予定の構造物の重量などにより異なった手法を使います。
また、杭打ち工法の必要性も軟弱な地盤の改良なのか、耐震性を上げるためのものなのかによっても異なります。
杭打ち工法には「場所打ち杭工法」と「既成杭工法」があります。
ベタ基礎
ベタ基礎は一般的な戸建て住宅で使われることが多い基礎です。
床下全体にコンクリートを打設し、床下に空間を設ける工法です。
建物の外周や柱の下だけに基礎があるのではなく、底全体を鉄筋コンクリートで支える構造をしているので、建物の不動沈下を起こしにくいのが特徴です。
地震の揺れに強く、コンクリートと共に防湿シートを設置するため、湿気やシロアリの侵入を防ぐことができます。
コンクリートを多く使いますが、特にコスト高というわけではありません。
新築のうちは数年間コンクリートから水分が出ることがありますので対策が必要です。
布基礎
布基礎は連続フーチング基礎とも言い、日本家屋などで使われている工法です。
建物の負荷がかかる部分のみにコンクリートを打設し、ベタ基礎に比べてコンクリートの使用量が少ないのが特徴です。
ベタ基礎よりも軽く地盤に負荷をかけにくい基礎です。
そのため、地盤の強固な場所で、軽量な民家を建築する場合に採用されます。
床下に湿気がこもりやすいため、防湿対策が必要です。
独立基礎
独立基礎は一つひとつの基礎が独立している基礎のことです。
それぞれの柱の下に設置され、その柱の荷重を支えます。
コンクリートで固めた直方体など、台形のような形状となっています。
独立基礎は、強固な地盤の上に荷重の大きくない柱を使って傾斜地に住宅を建築する場合や、デッキの基礎などで用いられます。
SRC基礎
SRC基礎は蓄熱床工法とも呼ばれ、ベタ基礎とは異なり床下に空間を作らず、砂利やコンクリートを敷き詰める密閉構造の基礎です。
強度と耐震性が強いため、地震の揺れを吸収し分散します。
床下がないため、湿気やシロアリの心配がありません。
また、密閉構造のため、断熱効果が期待できます。
基礎工事の流れ・手順
地縄張り・遣り方工事
建物の範囲を示すために、基礎の外周に縄を張って建物を建てるスペースを確保します。
着工後最初の工程で、木杭を使って基礎の正確な位置を決めます。
木の杭には図面に記載されている建物の位置や基礎の高さなどの情報を、実際の敷地に移すために記します。
掘削工事
掘削工事は「根切り」とも呼ばれ、基礎を造るためにパワーショベルなどを使って地盤を掘り起こします。
砕石敷き
根切り後に砕石を敷き詰め、ランマーで地盤を締め固めます。
ここでしっかりと地盤を締め固めることで、基礎の重さを地盤に均等に伝え、建物が沈んでしまうことを防止します。
捨てコンを流す
砕石を敷き詰めた上に防湿シートを敷き、基礎の外周部に捨てコンを流し込みます。
捨てコンは建物の基準の印を書いたり、職人さんの作業がしやすくなるために流します。
捨てコンは建物との強度に直接関わりはありません。
捨てコンが乾いたら「墨出し」と呼ばれる基準線を描く重要な作業を行います。
配筋
格子状の鉄筋を組み立てます。
配筋工事は鉄筋コンクリート製の基礎に必要な鉄筋を図面通りに組み立てる作業を指します。
配筋は基礎の寿命や強度に直接影響がある重要な工程ですので建築基準法などで細かくルールが決められています。
型枠を組み、コンクリートを打設する
コンクリートを流すための型を組みます。
木製や鉄製の型を図面通りに組み、アンカーボルトと呼ばれる建物の構造体と基礎を繋ぐ金属製の部材を設置します。
型枠が完成したらコンクリートを打設し、数日間の日数を置いて養生します。
コンクリート流し込んだ時に型枠が歪んだり壊れて決壊してはいけません。
図面通りの基礎を造るために型枠工事は緻密で重要な作業です。
型枠を外す
コンクリートが固まったら型枠を外し、コンクリートの仕上がりを確認します。
これで基礎が完成です。
基礎工事は建物の丈夫さを左右する重要な工程
基礎は建物の強度を左右する重要な部分です。
どんなに見栄えが良い建物でも基礎がしっかりしていなければ耐久性が低く、長期間維持することが難しくなったり地震による揺れで建物に影響を及ぼしてしまいます。
そのため、基礎工事にはいくつもの工程があり、その1つひとつが重要な作業です。
基礎を造る際には地盤の状況や建築する建物により適切なものを選ぶことが大切です。
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